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口座を閉めるのもミッションインポッシブル

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イタリアに来たばかりの頃に働かせていただいたお店でお給料振込み用に、イタリアの銀行口座を開設していただいた。

当時は外国人がイタリアの銀行口座を持つのはなかなかの難関で、滞在許可書はもちろん、さらに信用保証、紹介状みたいな一筆を持っていかなければ、開けることはできなかった。

そんな時代にありがたくも、職場の方がさっさと手続きをしてくださり、当時はまだイタリア語もあまりわからなかったけど、行員の人たちが「え? 学生でしょ? 滞在許可書あるの?」「いやいや、この子は、うちのお得意様のあそこで働くので、給料振込み用だから。大丈夫」という会話がなされてたのは理解できた。

しかし滞在許可書の切れ目が縁の切れ目。
お店を早々に首なり、それからは、その銀行のお得意様の後ろ盾がない、ただの外国人客に成り下がった。

最初にいただいたのは、キャッシングカードのみ。
当時、イタリアで一般的だった小切手帳もつかない。

最初の頃は毎月、口座の動向履歴などがまとめられた手紙が届いていたけど、何せイタリアは郵便事情が悪いため、届くときもあれば、届かないときは届かない。
毎月封書手数料は引かれていたけど、いつからだろう、封書を受け取らなくなったのは。。。

ある日、ATMでキャッシングしようとしたらカードが使えなく、慌てて電話をした。
「そうなんです。今度からはチップ付きのカードになりました。お送りしようにも郵便事情があまり良く無いもので・・・」
確か、そんな会話の後に、郊外から新しいカードをもらいにローマの銀行まで出かけたことがある。
その時に、ついでにクレジットカードを作れないか聞いて見たが、

私の口座の残高を目の前のコンピューターで確認したんだろうな。
行員さんは、鼻で笑い「シニョーラ、まずね、口座に5000ユーロほど残高作ってから、そういうことは考えてください。」とけんもほろろってこういうことねな対応。

この時、いつかここの口座を閉めてやる!と心に誓った。

銀行に全く利益を生ませない客なので、きっと銀行側は、口座閉めたければいつでもどうぞだっただろうが、外国人の私はそうそう簡単には、別の銀行に口座を開けることができず、月日が流れて行ってしまった。

満を持して、やっとこさ宿敵の〇〇銀行におさらばしようと、先日、口座を閉める申請書類を書留で送った。

閉めるために、わざわざローマの銀行まで出かける時間も使いたくなかったというのが本音だけど、口座を閉めるとなると、決してすんなり、そうですか、Arivederciとはならないのがイタリア。

昔は口座を閉めるのに、ひどく経費を引かれたと被害にあった友人たちも多いが、10年ほど前、そんなことをイタリア人の友人に相談したら「何言ってるの、みか! 今は閉じるのにお金がかからない法律が出たのよ!」と法律の一文をプリントアウトしてくれたが・・・・もう昔のことなので、また法律が二転三転しているだろう。

きっと対面だったら、外国人と見て、色々言ってくるだろうし、口座を閉じるのにお金がいるとか言い始める可能性も高いので、顔を合わせない方がいい。
書面で送った場合は証拠として残るので、言った、言わないの争いにはならない。

書留を出し、郵便局を後にしたときの達成感は半端なかった。
何せ10年越しの願いだったし。

が・・・・・・・
数日後、私の携帯に知らないローマ番号から電話が入る。
「シニョーラ、私、〇〇銀行のものです。口座を閉めたいと申請されたようですが!トークン、お持ちですよね?」

トークン?

「ネットバンキングする際に使い捨て番号を入力するときのトークンです!」

はあ。。。

「トークン、返してくれないとね、口座閉めれないんですよ!」

いや、オタクの銀行のトークンは持ってないです。使ったことないです。

「コンピューター上では、トークンお持ちのはずです!」

いや、使ったことないですって。いつも私が指定したパスワードを使ってました。

「そんなことあるわけないだろ! あなたね、ネットバンキング使ってて、トークン持ってないはずないって」

と、言われても・・・・その銀行のトークンの形さえ知らないんですもん。
見たことさえないです。ずっと携帯のアプリ使ってたし。

もう、こうなったら水掛け論。
事態を悪化させないために、ひとまず探して見ますと電話を切ったけど、
銀行書類を保管してある場所を見て見たけど、トークンどころかトークンが届いたであろうお手紙も、入っていたであろう小箱さえない。

深呼吸して記憶を探る。
そう、私はかなり記憶がいい方で、細かなことも、なぜそれが私のところにあるのか、どうやって手に入れたのか? それを手にしたときどんな気持ちだったのかを事細かく記憶している。

持ってる全ての銀行カードやクレカ、他銀行のトークンもいかにしてうちにやってきたのか全部、その時を思い出せるのに、この銀行のトークンに関しては、ぽっかり、全くもって記憶の破片もない。
形も、色も思い出せないし、振り込みをした際には使ったであろうが・・・・・使った記憶さえない。

反対に、他銀行の口座から振込をした際に、トークンが必要で、めんどくさいな、〇〇銀行は対応悪くて閉めたいけど、こういうところは一手間かからず簡単なのよね。と思った記憶は出てくる。

日本の口座を構えている銀行がトークンと同じ暗証カードでの入力だけに切り替えたとき、日本の銀行の安全対策のまどろっこしさに悪態をついたのも思い出せる。
あの時も〇〇銀行、感じはめちゃ悪いけど、さすがイタリアなだけにこういう面がスマート。トークンとかいらないしと思った。

ネットバンキングから、さらに携帯アプリに強制的に使い勝手が変わった時、確かトークンのように使っていた秘密のパスワードをもう一度携帯用に設定しないといけなくなり、番号が二重になっちゃって、ハラハラしたのも覚えている。

どう考えても・・・・・私はこの銀行のトークンを使ったことがない。
いや持ったこともない。

口座を閉めたいだけだったのに、今度はトークンは、一度も持ったことがないということを証明するミッションも加わり、ますますミッション インポッシブル。









最後までおつきあいありがとうございます。Grazie per la visita!



by viabellaitalia | 2019-09-25 01:49 | イタリア広場