WW1って?

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ラガツォイで出会った語り部オーストリア兵さんの話を聞いて、もう少しイタリア人が偉大な戦争 Grande Guerraと呼ぶ第一次世界大戦のことを、イタリア側の観点で、知りたいと思う気持ちを新たに、山を降りる。

「コルティーナ ダンペッツォの街に行く前に、ここから2kmほどの距離に博物館があるみたいだから、寄ろうよ」と連れて行かれた博物館は ドロミテの雄大な峡谷の平地にぽつねんと石造りの建物。

さて、Museo WW1 Tre Sassiと書いてあるけど、なんの博物館なんだろう?

えっと・・・・・WW1? WW1って???? 


脳内メモリーフル稼働で「もしかして、World War 1? 」とわかるまで秒差かかっちゃいました。

もおおお、なんでここだけ英語なのよ! 今まで散々Grande Guerraとか言っておきながら!と怒る外人のあたくし。
土台、MuseoもTre Sassiもイタリア語でしょうに。

WW1博物館の、この建物自体が、第一次世界大戦前から砦として使われたもので、1915年の7月に爆撃されたものを、その後、この地域活性事業の一つとして復元させ、戦場跡などの発掘調査で出てきたものを展示しています。
戦争前はこの辺りはオーストリア領で、イタリア軍の侵攻から守るための砦だったそうです。
戦場跡の発掘では、オーストリア側だけではなく、この地で戦ったイタリア側のものも多く出てきます。
そして、現在、ここはイタリア領。
この博物館では、当時敵対しあったオーストリア軍とイタリア軍、双方の品物が「仲良く」展示されています。
きっと、博物館の名前も、オーストリアとイタリアも一緒の博物館だから、ドイツ語表記でもなく、イタリア語表記でもなく、間をとって英語にしたんじゃないかなと思います。
展示品の数々を見ていると、100年と言う年月は、そんなに遠くないんだなと。
展示品の多くは、この砦に置き忘れた、また周りから出た生活用品。軍服や武器はもちろん医療器具。
保存食であっただろう、缶詰の空き缶など、保存状態が良いものは、まるで、ついこの前のもの?のように見えるものもありました。
日本の神風特攻隊が飛び立つ前に家族に手紙を残したこともありますが、この博物館にも、そんな風に死を覚悟したイタリア人兵士の家族への手紙が展示してありました。
戦争とはいえ、前線で戦ったのは個々人。
国は違うけどみんな同じぐらいの年齢だった若者たちで、ましてや、ドロミテ地方は歴史的に長くオーストリア、ハプスブルグ家領であったけど、そこで暮らした人たちは言語だってドイツ語が共通だったし、この地方特有の言語もあったし、実はイタリアだ、オーストリアだという境界線が果たしてそれほど重要だったのだろうか? 


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"Questo museo vuole raccontare la storia da parte dei soldati
e non dai generali, o dalla politica, da parte dei vinti e non dai vincitori."


写真は博物館のフェイスブックページからお借りしました
仲良く、オーストリア兵とイタリア兵で記念撮影というのが、
とってもこの博物館を表現しているので。



以前、イタリアの公営放送局Rai ライで作られた、このドロミテ地方を舞台に、第一次世界大戦を時代背景にしたテレビ映画がありましたが、その映画のワンシーンで、たぶんクリスマスかな? たとえ戦争でもね、クリスマスは休戦です。そんな日に見回りをしていたオーストリア兵の青年は、雪山で遭難しかけているイタリア軍兵士を発見します。
近づくと、なんと彼の幼馴染。
衰弱し凍死しかねない友人を彼はオーストリア軍の基地へ連れて行きます。
基地内の他のオーストリア兵たちは敵を連れてきたなんて!きっと囮で後をつけられたに違いないと非難するわけですが、自分の幼馴染を見捨てはできない!と庇うと言う展開が、この映画を見たとき、正直なところ、私も、まあ、映画だしね、こう言うシーンも書いちゃうよね。とは思いましたが、ピサーノ氏が生まれた当初、ご両親が住んでいたと言うベネト州のベルン地方のお家の前を通ったとき、ほんの数メートルで「戦争前はね、ここからオーストリア領で、税関、入国審査事務所があったんだよ」って、道1本挟んでじゃございませんか?の距離で。

あっ、もちろん、ピサーノ氏、100歳とかじゃないですよー。
彼が生まれるずっと前、第一次世界大戦の前の話でございますが、この距離を目にすると、あのテレビ映画のシーン、あながち、あり得たお話だったなと妙に納得。

ローマで通った歴史コースの教授の「歴史を理解する、学ぶと言うことは地理に長けていないとダメなんですよ」と言っていた言葉を、ふと思い出しました。








最後までおつきあいありがとうございます。Grazie per la visita!



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by viabellaitalia | 2018-09-19 00:21 | Buon viaggio通り | Comments(0)