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山で、道産子が食べたいもの

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1軒目のRIFUGIO COLDAI




「先にどんな山か言ってたら、来なかっただろう?」

確かに・・・・・・・。 

本当に私、登山は嫌いなんです。
下山の時の足腰の踏ん張りがないので、つるん、ステンと転んで捻挫までするし、帰りには泥だらけになるので嫌い。

中学校の頃の登山遠足で、帰りのバスの中、先生たちに「お前に泥がついてるのか、泥にお前がついてるのか・・・・わかんないくらい泥だらけだな。」というのが、ものすごーくうまく表現してるくらい散々なことになるので、嫌いなんです。

なのでトレッキングの範囲でしか山は登ったことがない登山は超初級者。

そんな初級者でも2時間弱の登山でなんとかたどり着いた山小屋で少し早めのお昼ご飯。

「この後に、3時間弱歩くので、ここでお昼しておこうよ。」とはジモティー・ピサーノ氏。
山小屋の後ろはもうすごい断崖が聳り立っている。まさか、あそこ登らないよね? 

「登らないよー! 機材持ってきてないじゃん!」

機材より、テクニックです。私、もう18年スポーツらしいことしてないって。
って実は、ここまでもかなり急勾配の道や岩ゴロゴロ道を登ってきたので、かなりゼーゼー。すでに体力の限界を感じつつあった。

「何食べようか? せっかくだからさ、郷土料理のパンとハムとかお肉とか香料を一緒にまとめたものなんかどお? 見た目巨大パンおにぎりなんだけど。」

と言われた時、正直なところ道産子はラーメンが食べたかった。
かなり体力の消耗を感じ、食欲もなかったので、こういう時はツルツルとしたものが食べたい。

郷土料理を進めるピサーノ氏の提案をやんわり断り、ツルツル系で、ミートソースのスパゲッッティを注文した。
疲れた時、甘いものより、もそもそしたものより、ツルツル、しょっぱい系が食べたくなる道産子のあたくし。



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まだこの時は、ちょっぴり余裕をかます


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トレッキングシューズを買ったお店の店員さんの声が
頭の中をぐるぐる
「ソールは冬山用じゃないから、氷とか、雪はダメよ!」
えええええええええん!!!!



ググッと中ジョッキのビールでスパゲッティを流し込み、3時間弱の溶けた雪溪跡の小砂利道をてくてく。時々雪が残っていて、足もと滑るので、キャーキャー!!!
横はもうすぐ1000メートルほど高い断崖がどーんとそそり立っている道を歩くのは、絶景なんだけど、あまりにも男性的な人を寄せ付けない光景が結構怖かったり。
実際、2軒目の山小屋を後に下山し始めた時に、雪渓の上の岩壁の方から、岩が落ちる音を何度か聞いた。
あぁ、下に居なくてよかったよ。

次にたどり着いた山小屋は、最後の1時間ほどがすごい急勾配の道なき坂を登って行く。
途中でてっぺんに立つ山小屋を見上げては「これって嫌がらせ?」と叫びたくなる。
下に降りるにも、足元が不安定な坂だし、その向こうには2時間ほどかかった雪溪砂利道しかない。さらにその向こうには2時間弱の急勾配下り道だし。

「あともう少し。この山小屋の後は下山しよう」というピサーノ氏の言葉に励まされ、土と岩の坂を登って行く。

山小屋の窓辺にはゼラニウムが飾られ、中に入るとほんのり暖かい。
まさか・・・・・ストーブはつけてないよね?という温度。

手前には牛たちが放牧されて、なんだかハイジの世界。
でも、とにかく喉乾いた! なんか飲みたい!!!!!!!!!



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緑の向こうはいきなり崖だよー
2軒目 RIFUGIO TISSI





山小屋の奥の空席にどっかりと座り込み、ぜーぜー。ああああ、年を感じるわ。

「何か頼もうか?」というピサーノ氏に、「ビール! 大ジョッキ!!!!」と即答する道産子。

「でええええええ!!! こんな標高が高いところでアルコールなんかダメだよ!」

って、どんだけ、標高あるの?と思うも、高さを言われたって多分よく、わからないだろう。
後で教えてもらったが2300メートルほどだったらしい。

道産子的には冬にスキーで山の頂上に行くと、キーンと冷えたビールを煽るか、冷たいソフトクリームを食べるかがお約束だったので、
体がすでに欲している状況だったのだけど。。。。。。

「ここはね、牛乳が美味しいんだから! 牛乳にしなよ!」とピサーノ氏。

ここまで来て、牛乳はないでしょー!!!!のシティガールの口を封じて、ピサーノ氏が私のためにヨーグルトを頼んでくれる。

ヨーグルトかよ!とぶーぶーブー垂れたけど、最初の数口で、意外にも喉の渇きを和らげ、疲れ切っていた体の食欲を取り戻させた。


やっぱり、物事って、「郷に入っては、郷に従え」でございます。

この後の下山ルート、ビールなんか煽ってたら、ぜーったい生還できなかったし!

下山途中で一軒、寄った山小屋では、大人しく、井戸で冷やしてたスイカをいただきました。(ちょっと学んだ道産子です)


後日、地元新聞では、この山の頂上部分の断崖岩壁でローマからの登山客が滑落死したと、出てました。。。。怖かったよー!!!!!










最後までおつきあいありがとうございます。Grazie per la visita!



by viabellaitalia | 2018-08-31 20:41 | Buon viaggio通り