思考回路を変えないと無理です

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17日にEUと日本が経済連携協定を結んだそうで、世界最大自由貿易圏の誕生とかなんとか。


自動車などの工業品かチーズやワインなどの農産物まで関税を大幅に下げ、貿易を自由化し経済効果、雇用促進など語っていますが、

なんかね・・・・・、今イチ、机上のお話?と斜め目線で見ちゃってます。


バイヤーの仕事をしていると、関税って、ほんとうにやっかい。

足を引っ張られる感たっぷりなものなので、それが大幅値下げ、自由貿易!なんて歌われると、一見、大手を振って大喜びしたいけど、たったひとつの協定で全てが変わるとは思えない。


日本の税関が、どーんとその扉を開けてくれるとは思えない。


例えば、よくリモンチェッロ用のグラスのご注文をしていただくお客様。イタリアと日本では送料は決してお安くないので、いつもある程度の個数をご注文していただくけど、これがね・・・・税関が、「個人使用でこの数はおかしいだろ! 個人で使うならせいぜい4個か6個だろ!」とか。


えー!!! おうちでパーティ開いて、リモンチェッロを振る舞いたいなんてシチューエーション考えないわけ? この6個までってなに?

昨今、核家族だから4個が最大なの? この税関員、友達いないんかい?と思っちゃう。

私のおうちを考えたって、ワイングラスが12個以上あるけど、それでも足りないもん。


さらに、個人輸入だと、お受取人の方の個人使用目的と限定されるらしく、贈り物も実はだめなんである。

だめというか、関税率が変わるんだそうで、関税率が個人輸入(6割)ではなく、

プレゼントは商業輸入(100%)の率に変更しちゃうんです。

日本にもある「贈る」気持ちをぼっきぼきに折っちゃう、相手を思う愛が仇になっちゃうわけ。


特に、子供服や子供用のバックなど、ご注文いただくのは、当然、ご両親、大人の方からですが、これがだめなんです。

後、多分どなたかへのプレゼントだとは思いますが、男性の方からのご注文でレディースものとか。

これもチェック入ります。


通関のところから、確認してくださいという連絡が来ますが、えーそんな個人的なこと聞いていいのかしら?って思いません?

彼女さんか、奥様かへのプレゼントだと思うけど、もしかしたらトランスさんかもしれないでしょ? 女装趣味をわざわざ税関に報告しないと行けない訳????


そして2年ほど前ワシントン条約で一部修正があってから、さらに問題ないはずの商品がやっかいなことになり送るのが困難。


冬になると俄然多くなるウールやカシミヤ素材の商品。

日本の税関は、勝手にマイルール作っちゃって、通関書類に素材に使われた羊毛、羊さんの素性を明記しないと行けないわけです。

学術名までは許す。

が、どこの国で生産された羊さんか? 養畜? じゃあ牧場名まで書いてくださいの勢いである。(幸いにもまだ国で止まってるけど)

でもだ! 例えばマックスマーラーでオーバーを買付して日本に送るには、羊さんの素性なんかわからない。


で、マックスマーラーに「すみません、この羊さん、どこ生産ですか?」なんて聞いたって、まずブランド側だって、そんなこと把握していない。


これって、日本は海外からウール製品、カシミヤ製品を輸入したくないと言っているようにしか取れないのに、「自由貿易圏!」なんて言われても疑り深くなっちゃいます。


そして今月は高級紳士帽子メーカーの創業160周年記念コレクションのお帽子が、日本の税関でもう20日、無駄に止まっています。

今度もフェルトに使われた素材が問題だそうで。

ピクーニャという動物の毛を使ったものなのだが、確かに野生のピクーニャちゃんはだめですよー。ワシントン条約に触れちゃいます。

ですが! こちらのピクーニャちゃんは国際協定CITESで商業目的での輸入も輸出もOKです!とされているもののはずなんですが、

これがね・・・・・日本の税関が、野生でも養畜されたのもどちらも、生産国政府のCITES許可書を見せてくださいと。



ところが、CITES商品の取扱いが書かれているものを読んでも、そんな許可書が必要なことは書いていない。

CITESで保証されたピクーニャちゃんの毛を使った織物で加工された商品(今回はお帽子)はCITES承認ロゴのラベルがつけられるので、それを確認するだけなのに、日本の税関は書類、許可書を出せと。


CITESは国際協定なので、ひとつなはずなのに、なぜこんな見解の違いがでるんだろう? とCITESの英語板を送ってみるも荷物は動かない。


なんでだ?なんでだ?

まさか・・・・・・英語が読めないって言わないよね? 税関でしょう? 

と思いながら、日本の経済産業省のサイトを覗くと、あった! ありました! ピクーニャ素材の取扱い書!

えー!!! なんで日本の税関、知らないんだよーと読んでみて、びっくり。

なんと!日本はここでも勝手にマイルールをを作っていた。

ピクーニャ素材を使った商品は生産国政府からのCITES特別許可書とラベルを見るべし。


こらこらこらー!!!!!

CITESの英語板を再三、読み返すと、ピクーニャの毛を輸入して織物を作る企業は、確かに動物の生産国政府からのCITES許可書を必要とするけど、その織物を加工して商品化する際に許可書を持つ者は商品にと規定のロゴマークのラベルを貼るべし。

流通、販売また輸出入するものは、ワシントン条約にはふれない正規の手続きで生産された商品であるという確認はロゴマークのラベルを確認すべし。と書いてあるわけで。


どこにもピクーニャちゃんの生産国政府の特別許可書を商品にずーっと一緒に一筆つけておきなさいとも書いていない。

ラベル貼っておけよ!な指示がここまで明確なのに、ラベルを確認することもせず、ただひたすら商品を生産した企業でもない私たちにピクーニャちゃんの生産国であろう南アメリカのどこかの政府からの特別許可書を提出せよって、のがわからない。


これってやっぱり、日本の経済産業省のどなたか・・・・英語をちゃんと読めてないってことじゃない?


自由貿易とか大きくぶっちゃって、阿部さん満面な笑顔で調印後の握手しちゃってるけど、日本内部はそんな土台ないと思うな・・・・・。



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by viabellaitalia | 2018-07-23 19:41 | イタリア広場 | Comments(0)