2018年 07月 03日
毛深いボディガード
我が愛犬カルロくんは結構マッチョである。まあ、生みの母がフレンチブルドックなので、がっしりとした体型はお母さん譲り。
顔も、鼻ぺちゃなので、一見、危険犬種と言われるピットブルの子犬に見えるらしい。もうすぐ5歳になる成犬ですよーなんだけど。
超人間大好きなので、誰かが近寄って来ると、まず彼が、「わーい! なでなでしてください!」と寄って行くので、犬が怖い人にはちょっとしたインパクトを与えるらしい。
おかげさまで、夜道の一人(+犬)歩きは怖くない。
ローマの田舎の一見、超のほほーんな町も、実はレイプ事件がときどき起こっている。
以前住んでいたおうちのすぐ近くには難民、ボートピープルの一時宿泊施設があり、夏の真夜中なんかは彼らが宿泊施設の外で夕涼みをしている。
真夜中に具合が悪くなり、一人で救急に走ったときは、そんな真夜中の道角でたむろっている彼らに一瞬、ぎょっとしたこともある。
あああ、カルロが居たら、怖くないのに。
でも救急に行くんじゃ、犬は連れていけない。
人種差別は良くないと、彼らの前をひたすら足早に通り過ぎたあの夜道。
が・・・・・ときどき、難民の彼らが起こすレイプ事件をやっぱり小耳にするんである。
店長は高校教師もしているので、レイプ未遂や事件は新聞沙汰にはならないが、学校には報告が行くので、「夜は、あのあたり歩かないように。」と彼から忠告を受ける事もある。
まあね、普段、そんな夜遊びしないし。
会社からカルロと家に直行で帰るだけだし。
が、怖いのは難民や夜だけではなかった。
うちのオフィスのお昼休みは2時から4時。
2時になると事務所をしめて、帰宅し、ご飯を食べてまた会社に出勤が、私の日常である。
午後は愛犬カルロを連れて出勤し、暗くなってからの帰宅道はカルロがちゃんとボディガードをしてくれるので安心なんである。
それと暑さに弱いカルロを日中の一番暑い時間に外に連れ出すのは避けるめに、カルロくんの出勤時間は午後のみにしてあるわけで。
そう。お昼にお家に帰るときは、ひとりである。いや、一人な事が多い。
普段は店長の車でおうちに送ってもらうのだけど、仕事の都合で、一人で帰ることもある。
そんな一人歩きをしていると、後ろからすーっと車が寄って来て声がかかる。
「チャオ! 元気?」
普通は友達や、近所の人や、知り合いであるが、ときどき訳がわからないのも。。。。。いらっしゃる。
元気と聞かれても、知らない人だと、どう答えていいのか。
「あれ? 犬は? いつも一緒に居る犬は?」
どうやら、彼は、私が犬を飼っていることを知っているようだが、私はこの人を全然知らない。
ひとまず、犬は家にいるだけ答える。
「どこに行くの? 送って行こうか?」
いえいえ、結構です。
「まあ、そう言わず。乗りなよ!」
って、乗りませんって。汗
本当に親切心からだったら、申し訳ないけど、知らない人の車には乗りたくない。
イタリアって、確かに、この「送るよ、乗りなよ!」は割とよくある。
特に田舎に住んでると、バスなどの本数がないので、学校帰りにヒッチハイクしている学生たちもよくいるし、昔、電車の遅れから帰りのバスを逃し、途方に暮れていたときにも、「あなた、アルテーナに住んでるでしょ? どうしたの、こんなところで? 送ろうか?」と車が停まってくれたことがあるけど、やっぱり怖くて、私は乗れない。
ナンパの人なども、立ち止まって話そうとする向こうをぶっちぎって、ごめんなさいねー犬が、ひっぱっちゃて!なんて逃げれるので、毛深いボディガードは有能である。
ただ、犬なだけに制限きかず、有能すぎて友達が挨拶キスするのも間に割り込み、ふざけようとする恋人にさえ、「すわ!!! マンマの一大事!」となっちゃうのだけど。
正直、暑さで道で動けなくなるカルロに途方が暮れるときはね、「送ってこうか?」って知り合いの車が通らないかな・・・・・とは思いますが、大体、友達はカルロのことよおおおおく知っているので、誰も車に乗せたがらない、汗