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ボルサリーノマニアたち

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昨日は急遽ローマに1時間出張

なにせイタリアも今週末はお盆。お盆とは呼びませんが祝日で、
イタリアも15日前後に夏休みを取る企業が多い。
探しているサイズがローマ倉庫にしかないという幸か不幸かな状況で、
急遽ローマ店でピックアップを決める。

午後には商品をお店へ移してくれているというので、取りに行きます!と答え、
電車の時刻表を見ると、あれ?

そうでした。。。。。今年の8月もイタリアの国鉄トレンイタリアが、
ローマ手前のチャンピーノ駅からここ鉄の丘駅の区間の工事をするために、
電車が代替バスになり、チャンピーノ駅で電車に乗り換え、ローマ中央駅へとなる。

40分ほどの距離がね・・・・1時間半。
しかも公共交通機関の間はマスク着用義務なので、この暑さでマスクは辛すぎる。

行きつけのボルサリーノのお店にたどり着く頃には、恥ずかしいくらい顔面滝汗。
しかもハンカチで汗を拭きたくてもマスクが外せない。。。。。

ボルサリーノのお店の店内は、まさに老舗の風格。
ショーウィンドウなども昔ながらのまま。
古臭さではなく、歴史を感じる素敵な佇まいだ。

対応してくれる店員さんたちは、他のブランドやお店と比べるとやや年齢層が高いけど、
商品への知識も深く、手入れや帽子を綺麗に被るテクニックにも長けまさにプロな方達。
今回の引き取りに行ったアルジェンティーナと言う名前の夏なボルサリーノハットも、
箱から取り出して見せてもらうと、息をのむ美しさ。
見事な曲線が被った時、きっと綺麗だろうなと想像させる。

店員さんが商品をいつもの化粧箱に包装してくれている間、
店内を飾る数々の商品たちを見渡す。

今の季節は、手前のショーウィンドウは全てパナマ帽にストローハット。
数ヶ月前のロックダウン明けには入荷がなかったコレクションもサイズ一揃い入ってきている。
一つ、ずっと試してみたいと思っている婦人用のストローハットがあるのだが、
こんな滝汗でドロドロな状態では、頭だって汗かいていると思うので、
とてもじゃないけど、試着なんか頼めない。

去年の夏に地元、鉄の丘の商店街にある生地屋さんのショーウィンドウにボルサリーノの帽子を見つけた。
ローマからたった50kmの距離ではあるけど、かなり田舎な場所なだけに、
ボルサリーノの帽子たちが、似つかわしくなく不思議に思っていた。

先日、思い切ってこのお店に足を運んでみた。
2000年以上の歴史がゴロゴロ転がっているイタリアには珍しいというか、ここだけだと思うけど、
鉄の丘は歴史がまだ85年しかない。
そんな町で50年以上の歴史があるこのお店は、この町ではかなりの老舗に違いない。
2代目の現店主さんの女性が帽子マニアで、彼女の帽子愛からボルサリーノとの取引を始め、
もうずいぶん長いこと商品を扱っているという。

確かにボルサリーノ帽子は、一つ一つがまさに芸術作品。
本物を手にすると、その魅力に引き込まれ、もう後には戻れない。
かくゆう私も、買い付けでボルサリーノを手にしてから、すっかり魅了されてしまった一人である。

同じくボルサリーノマニアの店長が、「ボガードコレクション、日本のお客様に、とても人気があるモデルでね。」とコレクションの名前をあげると、彼女の目がキラリと光り、

「ボガート、ありますよ。これ!」と壁側一面の帽子の展示棚からボガードコレクションのCUT4 ブラックを取り出す。

CUT4はベージュとブラックの2種類があるが、イタリアではブラックの取り扱いは希少で、私たちも初めてみた。
反対に日本ではCUT4 ベージュの扱いが最初の頃なかったと聞いている。

「あれ、珍しい。ブラックですね!」と言うと、店主さんが嬉しそうに「うふふふ、実はこれ売り物じゃないんです。私用なの。これが欲しくてサンプルで残っていたものが、ちょうど私のサイズだったので、ボルサリーノに無理言って、いただいちゃったんです」

「実は、うちにはもう超レアになっちゃったんですけど、創業160周年記念モデルがあるんです。」

「ええええ! あれがあるの! うっとりするくらい綺麗な帽子だったけど、価格帯が高すぎて、イタリアじゃ売れないと思って仕入れなかったの!」

もう会話が、完全オタクなものになってますが、みんなボルサリーノが好きすぎなところで意気投合しちゃって、
田舎の生地屋さんで、こんな出会いがあるとは思いませんでした。

こんなご縁で、今後、何点かボルサリーノモデルを、かなりお買い得価格で出して行きますので乞うご期待です!


の裏で、店長、ちゃっかりお気に入りボルサリーノを見つけちゃって、またもやミイラ取りのミイラが出来上がりそうです。








最後までおつきあいありがとうございます。Grazie per la visita!



by viabellaitalia | 2020-08-15 00:32 | I love shopping通り