2018年 02月 01日
イタリアの車窓から その3 普通席の指定席ルール
昨日のその2で、指定席はないと思えと書きましたが、これがなぜか、普通席にはこつ然と指定席ルールがございます。
全車両普通席はローカル線の電車といえば都市部と郊外をつなぐ、通勤通学の足です。
電車の時刻も通勤通学時間には本数が増えますが、それ以外はいきなり本数も減ります。日曜日のお昼どきなんかは特に。
電車の運転手も、こんな時間、働きたくねーよ!いう感じががっつり伝わって来る電車の時刻表です。
私がよく利用するローカル線は、始発がカッシーノやカセルタってもうナポリですぜい?なところから、ローマに通勤通学する人たちが各停車駅から乗って来ます。
ローカル線の普通席なのに、指定席ってルールはこのために起こります。
始発や先の方の駅から乗った人たちが、それ以降の駅から乗ってくるであろう友達や同僚、親戚のために駅を確保するんですよっ!
私が利用する鉄の丘駅はこの路線では、かなりローマ寄りなので、結構、埋まっちゃってる事も多く、電車に乗ったはいいが空いてる席がなく、全車両空席探しの旅をすることもあります。
空いてる席にはだいたい鞄やリュックが置かれているので、ひとまず「そこいいですか? 空いてます?」と聞くと、「埋まってます。」と言われる事が多い。これは後に乗って来る人たちのためのリザベージョン席ってことですね。
こらー!!!! あんたのカバンは電車のチケットあるんかい!と、ときどき突っ込むおっさんがいますが、まじに声を荒げないと、この指定席は空きません。
この指定席ルールは午後の帰宅ラッシュ時に再発します。
この場合はローマが始発。早く駅についた人たちが、発車ぎりぎりに駆け込んでくるであろう友達のために席を確保するんです。
「空いてませんよ。もうすぐ人が来るんですよ。」
「この車両に指定席なんかないぞ!」とか、結局指定席ルールで待っていた人が間に合わずに電車が発車すると、ここぞとばかりに「ほーら! この席誰も来ないじゃない! ざけんなよ!」とどっかり座り込む人と指定席を取っていた人との小競り合いもよく聞きます。
この普通席の指定席ルールもイタリアのローカル線の日常茶飯事です。
いつも「席空いてます?」と聞いては「埋まってます。」と立ちんぼを余儀なくされるあたくしも、夏にローマ郊外の海に友達たちと行くときは、この普通席の指定席ルールを使わせていただきます。
始発のローマ中央駅からローマの北西を走るローカル線に乗るのはだいたい、いつも私で、ローマ市内の各駅で友人たちが順々に乗り込んでくるので、席を確保しておきますが、いかんせん、ローマ市内各駅は結構混むのと外人ですから、あっという間に、押しの強いおっちゃんとかおばちゃんに私の指定席ルールは解除されますけどね。
最後には「Mah! Lei è maleducata! まあ、なんてあなた行儀が悪いんだ! マナー違反だ!」とか道徳観を掲げられるとね・・・・日本人ひるんじゃう。
まあ、イタリア人には、マナー違反だとかMaleducato/aって言ってみても、どこ吹く風なんですけどね。